大威徳山舘




<概要>
仙北市角館町下菅沢地区にある大威徳山(標高178m)の痩せ尾根を三か所で掘り切っている。山頂部には整地されたようなまとまった平場がある。山の東側を玉川が流れ西側は角館市街地となっている。山の中腹には大威徳山神社が鎮座している。

<発見に至った経緯>
大威徳山付近を通る度に山容が城館の様に見え、更に堀切らしき地形も遠目で確認することが出来たので踏査に行ってきました。
登山道も敷設されており比較的容易に登ることが出来ます。登ってみれば分かりますが山の南と東西は断崖になっており東側を玉川が流れていて要害地となっています。尾根筋を3か所の堀切(二重堀切含む)で断ち切っています。痩せ尾根ですので堀切以外の防御施設は無く整地されたようなまとまった平場(曲輪)があります。
眺望に優れ仙北平野や角館市街地、付近の諸城館(角館城・白岩城)も一望できる立地にあります。
立地状況や舘の規模から推測して物見砦の用途で築かれたのではなかろうかと思いました。

北側の堀切

主郭と思われる。けっこうな広さがあります。整地状況も良く居住性も問題なさそうです。
最近のものと思われる焚き火の跡やブルーシートが木に繋がれているのを発見しました。
誰かがここでキャンプでもしたのでしょうか?宿営が可能なくらい整地されているという事でしょう。

大威徳山の東側を流れる玉川。仙北平野を一望にできます。

尾根を南へ進むと二重堀切が現れます。

前出の堀切(別アングル)。

二重堀切になっていますが一方は浅いものでした。

二重堀切全景。

尾根を更に南へ進むとまた堀切を見ることが出来ます。

尾根はまだ先に延びていますが遺構らしきものは見当たらず。見ての通りの痩せ尾根ですので堀切を入れるだけで充分防御ができそうです。

大威徳山遠景。